2018 立川イタリア歌劇団(東京都立川市)公演にて
今日はH様をご紹介します。
音楽大学を卒業され、現在は会社員の40代の方です。
普段はお仕事も精力的にこなされて、ライフワークとして歌にも取り組まれています。
私の本番を観て頂いて、声に納得頂き、この教室に通って頂くようになりました。
音楽の基礎は、しっかりとお持ちで、譜読みなどはご自身でされます。
ご本人の一番の悩みは、高音が出ない、という事でした。
声を拝見すると、確かに、中音域はどんな状況でも、安定したフレージングで、自信をもって歌われているなと思いましたが、高音域が苦手な理由がそこにある事も同時に感じました。
何回かのレッスンを通じて、他の方々同様、声の仕組みや、それに必要な知識をお伝えした後、
H様には特別にもう1つ、お伝えした事があります。
それは、骨格でした。
私の海外での活動の経験で、様々な人種、国籍の方々とご一緒して得た知識の1つです。
ミリ単位のほんのわずかな骨格の違いが、顔の見た目の違いに現れますが、発声には大きな影響をもたらします。
骨のつくりの違いと言えば、
欧米人の声が響くのは鼻が高いから(=鼻腔の空間が広いから)など、
「空間」を連想する方が多いと思います。
それもあるかもしれませんが、私は筋肉の動きに影響することの方が大きいように思います。
H様には、そのことをお伝えした上で、重点的に鼻腔、軟口蓋、声帯周り、特に輪状甲状筋などの筋肉を柔軟に、しっかり使えるようにトレーニングさせて頂きました。
H様からは、「かなり高音も楽に出るようになった」との実感も得て頂きました。