「どうせ私なんて」を克服できました

<2018 立川イタリア歌劇団公演に出演の際の写真>
蝶々夫人:ラストシーン

 

今日ご紹介する生徒様はE様。

趣味で声楽を始められて、オペラの舞台に立つまでに成長された40代、主婦の方です。

高校、大学と合唱部(団)に所属され、歌は好きだったというE様。

当教室に来る前にも、何人かの先生のもとで声楽を勉強したり、オペラの合唱などに参加した経験をお持ちです。

私が最初に拝見させて頂いたときは、
「歌」が好きだけど、
「歌」で相当悩み、
苦しんでこられた、という印象でした。

 

「上手くなりたいけど、ダメです」
とか、
「どうせ私なんて下手だし…」

という言葉を多く聞かれたように思います。

まず取り組んだのは、

1.どうして上手くないと思うのか
2.どう歌えれば上手いと思うか
3.そのためにどうすればいいか

ということでした。

E様は非常にストイックで、譜読み、暗譜は自分できちんとこなされます。

ただ、発声に関しては、使うべき筋肉の殆どが弛緩していて、喉周辺の一部を極端に酷使していると感じました。

まずは、声が発せられる仕組みを理解して頂き、そのために必要な動きが出来ているかどうか、1つ1つ確認していきます。

腹筋、横隔膜、頭部筋、アデノイド、軟口蓋、副鼻腔、舌筋、喉仏、顎関節、骨盤の傾き等々…。

それらの作業には、多少の時間が必要でした。個人差がありますが、E様の場合、約1年半。

現在、E様はそれらに関しては豊富な知識を持ち、実践してくださっています。

勿論、私達は人間ですので、その時の精神状態や環境によって、神経の伝達や筋肉の反応がうまくいかないときもありますが、随分成長されました。

念願だったオペラの公演でソリストを務められるまでになりました。

これからの目標は、意識すれば出来る1つ1つの事を、無意識でも出来るように、発声にしても、舞台での所作にしても、動く筋肉にいい習慣のクセ付けをしていくことです。